佐賀県立伊万里実業高等学校では、令和4(2022)年度からハイブリット型ケーススタディ教材「THINKBASE」の原型となるデジタル教材をご利用いただいております。
佐賀県西部に位置する同校は、令和元(2019)年度に、伊万里商業高等学校と伊万里農林高等学校が再編統合により合併して一つの高等学校として生まれ変わりました。旧伊万里商業高等学校の校舎は「商業キャンパス(CP)」に、旧伊万里農林高等学校の校舎は「農林キャンパス(CP)」としてキャンパス制のもとで生徒たちは学んでおります。
令和2(2020)年度から、商業キャンパス3年次の生徒が履修する「課題研究」(3単位)において「ビジネスプランコース」を立ち上げました。中小企業庁が主催する「起業家教育プログラム実施支援事業」に参加されたご経験を活かして、中小企業庁のカリキュラムや外部講師(民間企業およびNPO法人)の協力により、生徒達はグループ同士でアイデアを競い合うなど、非常に良好な雰囲気で授業が進んだそうです。
外部講師による年間を通じた指導のメリット
本コース3年目にあたる令和4(2022)年度からは、弊社取締役事業部長の坂口憲一が外部講師となり、年間を通じて指導をさせていただきました(原則:オンライン指導、現地指導:4回)。
高校側からご提示いただいた条件は、2つです。
条件1:商業科目への関連性
商業科目の内容に密接に関連させること。
条件2:生徒中心のアプローチ
あくまでも生徒が学ぶ場であること。
教師や外部講師の熱意は重要であるが、過度な介入や一方的な指導で、生徒が置き去りに
されないよう、バランスをとりながら進めていくこと。
年間を通じた指導に対する高校側からの感想です。
1.外部講師による授業は、生徒たちの刺激となりました。なぜなら、教科書では学べない内容
を、毎回聴くことができたからです。
2.簿記やマーケティングなど、商業科目の大切さを授業内で話していただいたため、本コースを
設定した意義を改めて確認することができました。
指導の改善点
しかし、一方で改善を要する点もありました。高校側からいただいたご意見です。
1.オンライン授業が中心であったため、外部講師に教室の雰囲気がうまく伝わらなかったこと
です。
はじめは「外部の方」という緊張感がありましたが、次第にそれも和らいでいくのは仕方ないこ
とです。集中力を欠いている生徒への指導がないままの授業が増えていきました。
まさに、オンライン授業の盲点だと言えます。
2.さらにサポートに回っている担当教師、つまり私たちが外部講師にその詳細な状況を伝えてい
なかったことです。
反省すべきは私たちです。いまでは、外部講師との間でお互いになんでも話しています。
3.学力の違いによる格差が露呈したことです。
基礎学力はもちろん、商業科目の知識が身についていない生徒が提案するアイデアが非現実的
であったり、辛抱強い思考ができる生徒とそうでない生徒との差が広がり、授業に支障が出ま
した。
とくにグループワークの際には、1グループの人数が10人近くになる場合もあったため、ほんの
数人の生徒にだけ過度な負担が発生することもありました。
ゲーム教材によるケーススタディに対する感想
ここからは、高校側の感想をそのままお伝えいたします。